迷作「泣いて青鬼」

むかしむかし、
あるところに、



孤高の青鬼さんと、





ひとりのお嬢さんがいました。


ある日、
森へ出かけたお嬢さんは、



青鬼さんの姿を見たとたん、
稲妻に打たれたような衝撃を受けました。


そう、
お嬢さんは青鬼さんに恋をしてしまったのです。




食べちゃいたいわっ♥


なんとかして青鬼さんに近づきたい…

お嬢さんは三日三晩考え続け、
ついに名案を思いつきました。


それは、



赤鬼になりすますこと。



赤鬼になりすましたお嬢さんが、



青鬼さんに近づくチャンスをうかがっていると、
今にも死んでしまいそうなトンボが、
ふらふらと飛んできました。


お嬢さんは、



自分が赤鬼になりすましていることも忘れ、





夢中でトンボにむしゃぶりつきました。


ふと我に返ったお嬢さんが見たものは、



あきれたような顔で自分を見つめる青鬼さんの姿でした。


思いを伝えるなら、
今しかない。
覚悟を決めたお嬢さんが、



もじもじしながら青鬼さんに近づくと、
青鬼さんがいきなり、
お嬢さんの顔に手を伸ばしてきました。


すると、

なんということでしょう!!





お嬢さんのかぶっていた赤鬼のヅラが取れてしまったのです!!


これには、



さすがの青鬼さんもびっくり仰天。


お嬢さんは恥ずかしくて、
急いでその場から逃げ出しました。


青鬼さんに思いを伝えられなかったお嬢さん、



泣いても泣いても涙が止まりません。


三日三晩泣き続け、
疲れ切って鏡を見ると、



憧れの青鬼になっているではありませんか!!





てへっ、ラッキー♪


そして、
今度は青鬼さんが、



青鬼になったお嬢さんに恋をしてしまうのでした。

めでたし、めでたし。